

9割以上が「学習の継続に失敗した経験あり」|大人の学び直しに関する実態調査
「女性のキャリアをシームレスに」の実現に向けてさまざまな働き方を支援する、リモートワーク実践スクールのリモラボ。
この度「リモラボ」のメンバーの中で、1か月以上学び続けている女性1,016人を対象に、大人の学び直しに関する意識調査を実施しました。
今回は、学びを継続できている人たちの工夫や、新たに始める人へのヒントとなる調査結果をご紹介します。
調査目的と回答者データについて
近年、自分らしい働き方や学び直しへの関心が高まっており、大人になってから新たなスキルを学び始める人が増えています。
なかには「続けられるか不安」「忙しくて時間が取れない」という理由から、学習の継続に悩む声も少なくありません。
そこで今回は、リモートワーク実践スクール「リモラボ」のメンバーで、実際に1か月以上学びを継続している女性たちを対象に実態調査をおこないました。
■調査対象
・リモラボメンバー1,016名(女性のみ)
・1か月以上学び続けられている
・約8~9割がフリーランス
■調査実施期間
2025年4月4日~2025年4月9日
■調査機関
自社調査(インターネット)
全体の92.2%が過去に学習を継続できなかったと回答
過去に学習を継続できなかったことがありますか?という質問に対して、実に92.2%の人が「ある」と回答。(図1)
大人になってから学び直しに挑戦した人の多くが、一度は挫折を経験しています。
学びたいと思う一方で、現実には継続が難しいと感じた人が大多数を占めていることが明らかとなりました。
継続できなかった理由の約6割が「モチベーションが続かなかった」
学習を継続できなかった理由として最も多かったのは「モチベーションが続かなかった」で62.8%という回答でした。(図2)
次いで「目標が曖昧だった」53.3%や「仕事や生活が忙しくなった」47.7%が上位にランクイン。
時間的な余裕のなさと精神的なやる気の維持が、学習継続の大きなハードルになっています。
特に、モチベーションの低下は、学び始めの意欲はあっても目標がはっきりしていない場合や成果を感じにくい時期に起こりやすい傾向です。
継続できなかった人の70.1%は「明確な目標設定」の重要性を痛感
学習の継続に失敗した人に、今あらためて学びを続けるうえで重要だと感じることを聞いたところ、最も多かったのは70.1%の「明確な目標設定」でした。(図3)
継続するためには、気持ちが揺らいだ時でも学ぶ理由を思い出せるような明確な目標が必要だとわかります。
次いで62.3%の人が「継続しやすい学習方法・習慣の確立」が重要と回答。
無理なく取り組める環境やスケジュールを整えることが、習慣として定着させるポイントだと答えています。
さらに、自己モチベーションの維持(53.9%)や周囲のサポート(44.9%)といった回答も目立ちました。
こうした結果からは、ただやる気や根性に頼るのではなく、目標・方法・環境の3つをバランスよく整えることが継続のカギであると多くの人が考えているとわかります。
現在も学びを継続できている理由の1位は「楽しいと感じるから」
学びを継続できている理由を尋ねたところ、60.7%と最も多かったのは「学びそのものが楽しいと感じる」という回答でした。(図4)
そのほか「明確な目標を設定している」(47.4%)や「仕事・キャリアに直結していると感じる」(46.1%)という声も。
この結果からは、継続には楽しい・意味があると実感できることが大きく影響していることがうかがえます。
さらに、41.9%の人が「仲間やコミュニティの存在が支えになっている」と回答。
学習時間をスケジュールに組み込んでいる(25.5%)といった、環境面の工夫や習慣化も継続を後押しする要素として挙げられています。
学びを長く続けていくには、モチベーションに頼るだけでなく、楽しさや仕組み化をどう取り入れるかがポイントです。
学び直しの際の目標で最も力になっているのは「ライフプランを見据えた目標」で63.1%
実際に目標を立てた人の中で、学びを継続するうえで最も力になっているのは「ライフプラン全体を見据えた人生のビジョン」が最も多く、63.1%にのぼりました。(図5)
そのほか、全体の半数近くが「年収アップ・転職成功」や「具体的なスキル習得」とも答えています。
また、「学びを継続するうえで最も力になっている目標」を聞いたところ、やはり「ライフプラン全体を見据えた人生のビジョン」が30.7%と最多でした。(図6)
短期的な成果だけでなく、自分がどんな人生を歩みたいかという視点を軸に、学びを始める人が多いことがうかがえる結果です。
将来の働き方や生き方とつながる目標を持つことで、日々の学習にも意味を持って取り組む姿勢につながっています。
学習時間は約2人に1人が「週に10時間以上」確保
1か月以上学習を継続している1,016人のうち「週に10時間以上」学んでいる人は、全体の45.1%にのぼりました。(図7)
約2人に1人が、学びにある程度まとまった時間を確保しているという結果です。
平日・休日を問わず、まとまった時間を学習に充てている人が多く、学び直しを本格的に生活に取り入れている実態が明らかになりました。
短時間の積み重ねだけでなく、一定の時間を確保して計画的に取り組む姿勢が、継続を支えるひとつの要素になっているようです。
学習時間の確保は“夜時間”と“ながら時間”がポイント
学習に充てている時間帯については、夜の時間を活用している人が最も多く、全体の52.2%でした。(図8)
仕事や家事を終えたあと、就寝前の時間を使って学習している人が多いことが分かります。
また、移動中の学習(44.4%)や家事をしながらの学習(42.6%)といった、日常の動作と並行して行うながら学習を取り入れている人も多数いました。
学習時間の確保だけでなく管理の仕方に目を向けたとき、
最も多く挙がったのが「移動中や家事中など、ながら時間を活用している」という回答で、50.7%もありました。(図9)
ただ時間を見つけて学ぶのではなく、日常の行動に学習を組み込むことで、効率的に時間を使おうとする意識の高さが見て取れます。
また「決まった時間に学習する習慣を作っている」という回答も39.0%と多く、ルーティン化を意識する人が目立ちました。
忙しい日々の中でも、自分の生活リズムに合わせて効率的に学習時間を確保している様子がうかがえます。
時間がないから学べないのではなく、限られた時間の使い方を工夫することで継続につなげている人が多いのが、今回の調査で見えてきた特徴のひとつです。
継続できている人は習慣化や環境づくりなど自分なりのコツを見つけている
学習を継続できている人に「実践している継続のコツ」を尋ねたところ、モチベーションの維持から時間の使い方、環境づくりに至るまで、さまざまな自分なりのコツが挙がりました。
たとえば、目標を紙に書いて目につく場所に貼る、5分だけやると決めてハードルを下げるなど、行動を日常に落とし込みやすい工夫が多く見られます。
また「完璧を目指さずとにかく続ける」や「人に宣言する」など、自分の性格や生活スタイルに合わせた工夫を重ねている人も多くいました。
以下は、回答の中で多く見られた工夫を整理したものです。(資料1)
【目標・モチベーション】
・なぜ学習を始めたいと思ったのかを振り返る
・明確な目標を常に目につくところに貼る
【習慣化・ルーティン化】
・5分だけやるなど、ハードルを低くして習慣化しやすくする
・一度止まると継続が難しいので、継続するために継続する
【仲間・環境作り】
・セミナーや企画に参加する事でモチベを維持している
・周りに宣言する
【楽しさ・興味重視】
・常に新しい学びをして、飽きないようにする
・なるべく好きに寄せた事柄にしている
【ながら学習】
・短時間でも1日1回は何か学習を進める、または学習ツールをさわる
・とにかくながら時間をムダにしないこと
こうした取り組みから見えてくるのは、やる気に頼るのではなく、自分が続けられる仕組みを意識的につくっていること。
継続できている人ほど、小さな工夫を積み重ねながら、自分に合った学び方を見つけています。
まとめ
今回の実態調査から、多くの人が過去に一度は学習の継続に失敗しながらも、工夫や意識の変化によって再び学びに向き合っていることが分かりました。
継続できている人たちに共通していたのは、モチベーションに頼らず、続けやすい仕組みを自ら整えているという点です。
特に、学びを継続するうえで重要なポイントとして挙げられたのは以下の3つです。
- 明確な目標設定
- 習慣化と時間管理
- 自分に合った工夫の実践
学び直しは、もともと継続できる人だけのものではありません。
大切なのは、一度の挫折で終わらせず、そこから自分にとって無理なく続けられる方法を見つけることです。
「学びを通じて見えてくる自分らしい働き方」その実現に向けて、少しずつ準備を進めていきましょう。
今後もリモラボは女性の自由な働き方の実現をサポートしつつ、働く女性のリアルなデータも随時公開していきます。
ぜひお楽しみに!