【完全保存版】SNS運用代行向け契約書作成ガイド
「SNS運用代行の契約書って、なに書いたらいいの?」
「SNS運用代行の契約書は、私が用意するもの?」
「そもそも契約書って作った方がいいのかな?」
こんなお悩みありませんか?
契約書は、契約を結ぶ者同士の責任や業務内容を明確にするための重要なツールです。
契約書の役割と、最低限書いておくべきことを認識することでトラブルを未然に防ぎ、スムーズに仕事を進められます。
そこでこの記事では、契約書に明記すべき5つのポイントと、最新のツールを含めた契約手順についてお伝えします。
いざ、契約書を締結するときに慌てないよう、この記事をブックマークしておくと安心です。
SNS運用代行の契約書とは?
SNS運用代行の契約書とは、クライアント(発注者)とSNS運用代行者(受注者)の間で契約を締結するときに、双方が合意した内容を記した文書のことです。
まず「契約書」のそもそもの役割と、SNS運用代行の契約書に一般的に記載されることをチェックしてみましょう。
契約書の役割
契約書とは、契約が締結されたことを証明する文書です。
契約書を結んでおくと、クライアントは業務の内容を把握でき、SNS運用代行者は報酬金額や支払い方法が明確になります。
したがって、自分とクライアント両者が安心して業務に集中できます。
ココナラやランサーズのようなクラウドソーシングサイトでは運営会社が契約の仲介役となっていますが、クライアントと直接業務をやり取りする場合は、必ず契約書を文面で結んでおきましょう。
契約書に記載する内容
SNS運用代行者は、クライアントからSNSの運用を委託を受けて代わりに運用します。
担当する業務はSNS運用代行者やクライアントの要望によって異なるので、「業務契約」を結ぶのが一般的です。
具体的には、コンテンツの企画や投稿、フォロワーとのコミュニケーション、運用結果の分析やレポーティング、広告の運用などが含まれます。
このようにSNS運用代行の業務は多岐にわたるので、何の業務を担当するのか(またはしないのか)を明記しておきます。
さらにフォロワーを伸ばすなどの数値目標がある場合、数ヶ月単位での契約が必須です。SNS運用はすぐに結果が出る業務ではないことを、クライアントにご理解いただきましょう。
SNS運用代行の業務開始前に契約書を作成すべき3つの理由
自分とクライアント、お互いが安心して業務を進めるためにも、事前にしっかりと契約書を作成しましょう。
SNS運用代行を開始する前に契約書を作成すべき理由は、主に3つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
トラブルを回避するため
「いった、いわない」と言った些細なケースから、未払いなどの重大なトラブルまで、契約書がないと不利になる可能性があります。
契約書はお互いの権利と義務を明記しているので、万が一、仲裁や裁判に発展してしまった場合でも、証拠になります。
業務内容を明確にするため
業務内容が不明瞭だと、SNS運用のどの部分をどこまで依頼したのか、料金やその支払い方法の詳細が曖昧になってしまいがちです。
請け負う仕事内容を明確にしておかないと「あれやって、これやって」と依頼が殺到、もしくは「あれできてない、これもできてない」と、クライアントに不満を持たれてしまう可能性があります。
そうなってしまったら、トラブルにもなりかねません。
そこで具体的な業務範囲、報酬金額、支払い条件などを明記しておくことで、自分とクライアントの理解を一致させ、誤解やトラブルを防げます。
信頼してもらうため
契約書を最初に結ぶことで、クライアントに信頼してもらいやすくなります。
契約書を交わすことで、プロフェッショナルであることを感じさせ、仕事に慣れている印象を与えられます。
クライアントから信頼や安心感が得られると、長期的なビジネスパートナーシップへとつながる可能性も高まりますよ。
ここでは契約書を作成すべき3つの理由についてお伝えしました。
それでは次に、契約書に最低限書いておくべきことを見ていきましょう。
SNS運用代行の契約書で最低限おさえるべき5つのポイントと例文
ここからは、SNS運用代行の契約書で最低限おさえるべき5つのポイントと、その例文を紹介します。
この5つのポイントを明記していないとあとで揉めてしまったり、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
しっかりとチェックして、契約書に必ず記載しておきましょう。
業務内容
今回の契約で、クライアントに提供するお仕事の内容の詳細を記載。
なお納品物がある場合、修正業務について回数の目安を決めておくと、お互いメリハリを持って仕事を進められるでしょう。
【例】
(1)Instagramに関するアドバイスおよび、週2回のInstagramの投稿内容の作成および投稿
(2)(1)に付随関連する一切の業務
納品物の修正の必要がある場合は、修正は⚪︎回までを限度とする
報酬額・期日
契約するうえで、必ず決めておくべきことが報酬額と期日です。これがないと、いつまでにおこなえばいいのかわからない、お互いに報酬額の思い違いがあるといったトラブルがおこる可能性も。
以下の4つは、必ず記載しておきましょう。
- 報酬金額
- 消費税の取り扱い(税込か?税別か?)
- 支払期日
- 支払い方法
【例】
本件の業務の報酬については、月額XX,XXX円(税別)とする。
本件業務の報酬の支払期日は、委託業務をおこなう月の前月末日に〇〇(自分のこと)の指定する銀行口座に振り込みをおこなう。
契約期間
契約期間と更新条件を記載。
契約期間を記載しておくことで、突然契約を切られることを防げます。
さらに契約更新の条件を入れておくことで、契約の再交渉が不要になり、双方の手間を省けます。
できるだけ長期間お付き合いができ、収入が確保できるように更新条件は入れておくとよいでしょう。
【例】
本契約の有効期間は、本契約締結日から◯ヶ月とする。
ただし、いずれからも契約終了日の1ヶ月に更新しない意思表示がない限り、本契約と同一条件で本契約は更新するものとする。
再委託
大型案件を受注したときや、多数の案件を抱えるとチーム化または外注化が必要です。
自分以外の人に仕事をお願いする場合は、依頼主であるクライアントに事前に了承を得ておく必要があるため、「再委託」についても、契約書に含めます。
【例】
〇〇(自分のこと)は自己の責任の下、本件業務を第三者に再委託することができる。
契約解除の取り扱い
自分から契約の解除ができるように明記しておくことも、契約書に含めるべきポイントです。
揉めそうな相手や、反社会性力と契約してしまった場合に、速やかに解除できるようにしておくためです。
稀なケースですが、自分を守るためにも忘れずに記載しておきましょう。
【例】
次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に通知し、本契約の全部、または一部を解除することができる。この場合において、解除によりXXX(クライアント)に損害があっても、〇〇(自分のこと)はその損害の賠償の責を負わないものとする。
(1)本件業務に関して、法令の違反をしたとき。
(2)本契約上の義務の履行に重大な影響を及ぼす、または及ぼす可能性のある法令等の違反をしたとき。
(3)本件業務に関して重大な虚偽の報告等を行ったとき。
(4)…..
(5)…..
以上、契約書作成において5つのおさえるべきポイントと、その例文について確認しました。
SNS運用代行の契約書の雛形は、法律事務所が無料で公開していたり、最近では生成AIを使って契約書を作成する人もいますよ。
いざ作成するときはさまざまな情報を見比べて、取り掛かることをおすすめします。
それでは最後に、契約書を作成してから締結までの手順についてもチェックしておきましょう。
SNS運用代行の契約書作成の手順3ステップ
契約書を作るときに大切なのは、自分と相手の両方がきちんと中身を確認して、お互いが納得した内容になっているかどうかです。
簡単な仕事でも、その仕事に合わせた契約書を作るのがいいでしょう。
それに、他のクライアントとも契約を結ぶことを考えて、あらかじめ雛形を作っておくと、次からはスムーズに契約書が作れます。
契約内容の決定
契約内容を決めるときには、まず業務についてクライアントと話し合い、草案を作成します。
クライアントの手間を減らすためにも、こちらから契約書の作成を申し出ると好印象です。
具体的な業務範囲や報酬金額、支払い条件などを話し合い、草案にまとめます。
この一連のやりとりにおいても、クライアントとの信頼関係が深まり、スムーズに業務をスタートできるでしょう。
契約書の内容を確認
草案が出来上がったらクライアントにチェックしてもらいます。
お互いが対面して契約書の内容を確認できるのが最も理想的ですが、オンラインや郵送で契約書を確認しても問題ありません。
クライアントからのフィードバックを基に必要な修正をおこない、最終的な合意を得ることで、契約書の完成です。
契約書の締結
契約書の締結時に、自分とクライアントで契約書に署名と押印をおこなうことで、SNS運用代行の契約成立です。
契約書を交わすことで、お互いが安心して仕事ができる環境が整います。
最近では、パソコンやスマホで契約を締結するのがトレンドになりつつあります。
オンラインの契約書は手続きが簡単で、とくに時間の削減にもつながるからです。
個人事業主や小規模事業者に向けたサービスもあるので、気になる方は調べてみるとよいでしょう。
クラウドサインを使用する
オンライン契約サービスのひとつとして、「クラウドサイン」があります。
契約手順の概要は以下の通りです。
- クライアントのメールアドレスと名前を確認
- 契約書をPDF化する
- クラウドサインにアップロード
- サインをいただきたい箇所に押印マークをつける
- 自分のサインを電子押印して、相手先に送付。完了したらメールで通知がくる。
以上がオンライン契約書作成のステップです。
自分で作成または、オンライン契約を利用と、どちらの方法を選ぶにせよ、クライアントと契約内容を明確にしてから契約書を作成しましょう。
まとめ
今回はSNS運用代行の契約書について、ご紹介しました。
業務を開始する前に契約書を締結できると、トラブルを未然に防げる上に、クライアントからも「仕事ができる人だな」と信頼を得て仕事をスタートできます。
契約書には、最低限5つのポイントを記述しておきましょう。
- 業務内容
- 報酬額・期日
- 契約期間
- 再委託
- 契約解除の取り扱い
さらに、契約書を作成するときの3つのステップは以下の通りです。
- クライアントと話し合って、草案を作成
- 草案をクライアントに確認いただき、最終合意
- 双方で契約書に署名と押印して、契約成立
案件を獲得するたびに、契約書の出番がやってきます。
スムーズな業務運営の一部として、契約書の雛形を作成しておくことは、SNS運用代行のプロとして大切な準備ではないでしょうか?
契約書を作成するときには、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。