

SNS運用代行の契約書作成ガイド【テンプレートあり】
「SNS運用代行の契約書って、なにを書いたらいいの?」
「SNS運用代行の契約書は、だれが用意するもの?」
「そもそも契約書をつくった方がいいのかな?」
SNS運用代行で、クライアントとのトラブルの多くは「契約書」があるだけで未然に防げます。
さらに「契約書」の中でクライアントとの取り決めを記載することで、業務のズレや支払いトラブルの回避につながります。
この記事では、SNS運用代行の契約書の基本から、初心者でも使えるテンプレートまで徹底解説!

スムーズなSNS運用を目指し、安心して業務を進めるためにもまずは「契約書の基礎」を押さえましょう。
SNS運用代行の契約書とは?初心者向け基礎知識
SNS運用代行の契約書とは、「どんな業務を、どんな条件でやるのか」をクライアントと取り決める文書です。
ここでは、まず契約書の基本的な役割と、SNS運用代行ならではの契約書の特徴を、初めての方にもわかりやすく解説します。
- 契約書の役割
- SNS運用代行ならではの契約書の特徴
契約書の役割
契約が締結されたことを証明する文書である契約書。
契約書を結んでおくと、クライアントは業務の内容を把握でき、SNS運用代行者は報酬金額や支払い方法が明確になるのでトラブル回避に役立ちます。
契約書があることで、自分とクライアント両者が安心して業務に集中できます。
また、ココナラやランサーズのようなクラウドソーシングサイトでは運営会社が契約の仲介役となっていることも。
ですが個人でクライアントと直接的な業務のやり取りをする場合は、必ず契約書を文面で結んでおきましょう。
SNS運用代行ならではの契約書の特徴
SNS運用代行は、業務内容の境界線があいまいになりやすいからこそ、契約書で明確にするのが大切です。
また、クライアント側も「SNS運用ってなにをしてくれるの?」と、内容を正確に理解していないことが多いんです。
たとえば、「投稿作成代行」と言っても「画像だけつくるのか?」「投稿文も書くのか?」「実際に投稿する作業まで含むのか?」など、解釈の違いが生まれがち。
また、作成した画像の著作権は誰にあるのか、投稿後の修正対応は何回までかなど。
対応する業務と、しない業務の線引きをハッキリさせておかないと、あとでトラブルになる可能性があります。
さらに「やってくれると思っていたのに……」という誤解は、クライアントからの信頼を損なう原因にもなるので注意しましょう。
契約書には「どこまでやるのか」「どこをやらないのか」をしっかり書くことが、プロとしての信頼構築につながりますよ。

どんな小さな案件でも「契約書」は用意するのが安心です。
なぜ契約書が必要?SNS運用代行でよくある3つのトラブル
SNS運用代行は、契約書がないことで思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
ここからは、SNS運用代行の現場で実際によくある3つのトラブルをご紹介します。
- 業務範囲をめぐる認識のずれ
- 支払い遅延・未払い問題
- 「言った言わない」で生じる誤解

自分の身を守るためにも、どんなリスクがあるのか知るのが大事!
業務範囲をめぐる認識のずれ
SNS運用代行では、業務範囲の認識がズレたまま仕事を進めてしまうと、あとからトラブルになる可能性が高くなります。
これは、クライアント側との間で「なにをどこまでやるか」のイメージのズレからくるもの。
たとえば、投稿作成を依頼されたときに、代行側は「画像作成だけ」のつもりが「ストーリーズ投稿」もしてほしいとクライアントは思っていた、などというのはよくある話です。
また「DM対応やコメント返信は契約外」と思っていても、クライアント側は「それもやってくれるもの」と期待していた……というケースも。
こうしたトラブルは、最初の業務依頼の段階でしっかりすり合わせをし、「契約書」に明記すれば、防げることがほとんどです。
お互いに安心して仕事を進めるためにも、よりよい信頼関係をつくるためにも、契約書には、やること・やらないことをハッキリ明記しましょう。
支払い遅延・未払い問題
SNS運用代行の仕事では、「いつ」「いくら」「どう払うか」があいまいだと、支払いのトラブルが起こりやすくなります。
クライアントとの支払いのルールがはっきりしていないと、相手の気分や事情で支払いが遅れたり、払ってもらえなくなることも……。
たとえば、口頭では「月末払い」と言われていたものの、実際には1ヶ月以上も遅れて振り込まれたり。
あるいは、「思ったより成果が出なかったから」という理由で報酬の減額や支払い拒否にあったというケースも実際にあります。
ですがこのような問題は、最初に支払い条件の取り決めがされてなかったことが原因。
そのため、契約書では「報酬:月3万円/毎月末締め、翌月5日払い」「振込手数料はクライアント負担」など、具体的に書いておけば安心です。
お金の話は、あとから言い出しにくいうえに、クライアントとの関係がこじれる原因のひとつ。

トラブルが起こる前に、まずは1枚「契約書」をつくっておきましょう。
「言った、言わない」で生じる誤解
SNS運用代行の現場では、口頭やチャットでの曖昧な約束事が原因でトラブルにつながる場合があります。
さらに、チャットや口頭のやり取りは証拠が残りづらく、時間が経つとお互いの記憶もあいまいになりがち。
しかも担当者が変わったときなど、うまく引き継がれないケースもあります。
たとえば、「納品は◯曜日ね」とチャットで言われても、そのログが流れてしまって見つからず、「言ってない」と言われて困ったり。
あるいは、口頭でざっくり決めたことが、実際は双方で認識が違っていた……ということも。
また、クライアントの担当者が変わって、「前はこうだったのに」と話が食い違うのも言った言わないの典型的なパターンです。
このようなトラブルに合わないためにも、契約書で最初にしっかり約束を残すことが大切。
契約書があれば、「ここに書いてあります」と冷静に伝えられ、相手も納得しやすくなりますよ。

しかも、担当者が変わっても契約書があれば、一貫したルールで進められて安心です。
SNS運用代行の契約書に必要な8項目
「SNS運用代行の契約書って、なにを書けばいいの?」
初めて契約書をつくるときって悩みますよね?
ここからは、最低限入れておきたい以下の8つの契約項目について解説します。
- 業務内容
- 報酬額・支払い期日
- 契約期間
- 納品方法
- 成果物の取扱い
- 再委託契約
- 秘密保持
- 契約解除規定

ぜひ、自分用の契約書をつくるときの参考にしてください。
業務内容
SNS運用代行の契約書で最も重要なのが、「なにをどこまでやるか」の範囲を明確にするための「業務内容」の明記です。
「どこからどこまでが対応範囲なのか?」を明確にしないと、のちに「これもお願いしたい」といった追加依頼や報酬の未払いにつながることも。
業務内容を記載する際は、以下を参考にどうぞ。
【例】
(1)Instagramに関するアドバイスおよび、週2回のInstagramの投稿内容の作成および投稿
(2)(1)に付随関連する一切の業務
納品物の修正の必要がある場合は、修正は⚪︎回までを限度とする。
具体的に業務内容の境界線をはっきりさせると、トラブルはグッと減りますよ。
報酬額・支払い期日
契約するうえで、必ず決めておくべきことが報酬額と期日です。
これがないと、いつまでにおこなえばいいのかわからない、お互いに報酬額の思い違いがあるといったトラブルがおこる可能性も。
以下の4つは、必ず記載しましょう。
- 報酬金額
- 消費税の取り扱い(税込か?税別か?)
- 支払期日
- 支払い方法
【例】
本件の業務の報酬については、月額XX,XXX円(税別)とする。
本件業務の報酬の支払期日は、委託業務を開始する月の前月末日に〇〇(自分のこと)の指定する銀行口座に振り込む。
契約期間
契約期間と更新条件を記載。
契約期間を記載すれば、突然契約を切られることを防げます。
さらに契約更新の条件を入れることで、契約の再交渉が不要になり、クライアントと自分、双方の手間を省けます。
できるだけ長期間お付き合いができ、収入が確保できるように更新条件は入れるとよいでしょう。
【例】
本契約の有効期間は、本契約締結日から◯ヶ月とする。
ただし、いずれからも契約終了日の1ヶ月に更新しない意思表示がない限り、本契約と同一条件で本契約は更新するものとする。
納品方法
SNS運用代行は、画像やテキストなどの納品物がある仕事だからこそ、どう渡すか・どの形式で渡すかを明確に決めることで、やり直しやミスを防げます。
こういった取り決めがあるだけで、「あれどう納品するんだっけ?」がなくなり、無駄な確認や追加対応が減るため、やり取りが圧倒的にスムーズになることも。
納品方法は、以下のように取り決めておくのがおすすめ。
【例】
納品形式(画像):CanvaのURL共有/PNG/JPGに出力して指定のDropboxフォルダへ保存
納品報告:Chatwork/LINE/Slack/メール など

ツール名・ファイルの形式・拡張子まで細かく設定すれば、相手との認識ズレがなくなり、時短につながるのもポイント。
成果物の取扱い
作成した投稿や画像などの取り扱いについては、「著作権」と「利用範囲」の2軸で明記するのが大切です。
たとえば、納品した画像を「別のクライアント案件にそのまま流用された」「意図しない商材に使用された」といった事例もあります。
そのような問題は、契約で取り決めておかないと未然には防げません。
具体的には以下のような書き方ができます。
【例】
①運用者の手を完全に離れるパターン
運用者が本契約に基づき作成した投稿文、画像、ハッシュタグ案等の成果物に関する著作権は、納品と同時にクライアントに譲渡するものとする。運用者は当該成果物に対して著作者人格権を行使しない。
②譲渡はするが勝手な再利用は避けたいパターン
本契約により運用者が作成した成果物の著作権はクライアントに帰属する。ただし、当該成果物を第三者に提供、販売、再配布することはできないものとする。
契約書で著作権と利用範囲をはっきりさせてることが、安心して仕事を進めるコツ。

忘れずに盛り込みましょう。
再委託契約
大型案件を受注したときや、多数の案件を抱えるとチーム化または外注化が必要です。
自分以外の人に仕事をお願いする場合は、依頼主であるクライアントに事前に了承を得ておく必要があるため、「再委託」についても、契約書に含めます。
【例】
〇〇(自分のこと)は自己の責任の下、本件業務を第三者に再委託できる。
秘密保持
SNS運用代行では、企業や個人の情報やアカウント情報を守る姿勢を契約書に明記するのが大切です。
SNSアカウントにはログイン情報、投稿予定、顧客対応履歴など、外部に漏れると事業そのものに影響が出る重要な情報が詰まっています。
そのためたとえば、うっかり第三者に口外したり、使いまわしたりすると、クライアントのビジネスにダメージを与えるだけでなく、自分自身の信頼が失われるリスクがあります。
そのため、契約書には、次のような一文を入れておくと安心です。
【例】
運用者は、本契約に関連して知り得たクライアントの業務上の情報、顧客情報、SNSアカウント情報、その他一切の秘密情報について、第三者に漏洩・開示してはならない。
また、本業務の目的以外には使用しないものとする。
情報漏洩は、クライアントの利益損失につながりかねない大きな問題。
なので契約書には、秘密保持に関する項目を盛り込むことで、クライアントに「安心感」を伝えることにもつながりますよ。
契約解除規定
自分から契約の解除ができるように明記するのも、契約書に含めるべきポイントです。
揉めそうな相手や、反社会的勢力と契約してしまった場合に、速やかに解除できるようにするためです。
稀なケースですが、自分を守るためにも忘れずに記載しましょう。
【例】
次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に通知し、本契約の全部、または一部を解除できる。この場合において、解除によりXXX(クライアント)に損害があっても、〇〇(自分のこと)はその損害の賠償の責を負わないものとする。
(1)本件業務に関して、法令の違反をしたとき。
(2)本契約上の義務の履行に重大な影響を及ぼす、または及ぼす可能性のある法令等の違反をしたとき。
(3)本件業務に関して重大な虚偽の報告等を行ったとき。
(4)…..
(5)…..
以上、契約書作成において8つのおさえるべきポイントと、その例文について確認しました。
SNS運用代行の契約書の雛形は、法律事務所が無料で公開していたり、最近では生成AIを使って契約書を作成する人もいます。
いざ、作成するときはさまざまな情報を見比べて、取り掛かることをおすすめします。
不安な方は、次に契約書のテンプレートを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
SNS運用代行者専用の契約書テンプレート
「SNS運用代行の契約書、どう書いたらいいかわからない……」そんなときは、専用のテンプレートを活用するのが安心です。
契約書はクライアントとの信頼関係をつくるための大事なステップ。
また、契約書はゼロから書こうとすると時間がかかり、見落としがあるとのちにトラブルになる可能性も……。
ですが、SNS運用代行の実務に合ったテンプレートなら、必要な項目が含まれていて安心です。
ぜひ以下の、テンプレートをベースにあなた専用にカスタマイズして使用してくださいね。
SNS運用代行者専用・契約書テンプレート(コピペ用)
業務委託契約書
〇〇(以下「クライアント」という)と、〇〇(以下「運用者」という)は、以下のとおり業務委託契約(以下「本契約」という)を締結する。
第1条(業務内容)
運用者は、クライアントのSNS(Instagram)アカウントに関して、以下の業務を行う。
・月8本の投稿作成(画像・文章含む)
・ストーリーズの企画と投稿指示
・簡易レポートの提出(週1回)
第2条(報酬および支払い条件)
報酬額は月額○○円(税込)とし、毎月末締め、翌月10日までにクライアント指定の口座へ銀行振込にて支払う。
第3条(契約期間)
本契約の有効期間は、2024年6月1日から2024年8月31日までとする。以後、特段の申し出がない限り1ヶ月ごとの自動更新とする。
第4条(納品方法)
成果物はGoogleスプレッドシートおよびCanva共有リンクにて納品し、週次でチャットツール(Slack)にて納品報告を行う。
第5条(著作権および成果物の利用)
本契約に基づき作成された成果物の著作権は運用者に帰属する。ただし、クライアントは当該成果物を自社SNS(Instagram)において使用する非独占的な権利を有する。
第6条(再委託)
運用者は、本業務の一部(画像制作等)を信頼できるパートナーに再委託する場合がある。ただし、再委託に際してはクライアントの事前承諾を得る。
第7条(秘密保持)
運用者は、本契約により知り得たクライアントの情報(アカウント情報、業務方針、顧客情報など)を第三者に漏洩せず、業務目的以外に利用しないものとする。本条は契約終了後も有効とする。
第8条(契約解除)
契約を解除する場合、両当事者は1ヶ月前までに文書または電子メールにて通知するものとする。なお、クライアントの都合による途中解約があった場合、当月分の報酬は満額支払うものとする。
以上を証するため、本契約書を2通作成し、クライアントおよび運用者が各1通を保有する。
【クライアント】
氏名(または会社名):
住所:
署名・捺印:
【運用者】
氏名:
住所:
署名・捺印:
作成年月日:2025年〇月〇日
①上記のコピペ用テキストをコピーして、作成したいツールにペーストする。
②こちらのリンク先からテンプレートを開き「ファイル」>「コピーを作成」でコピーする
①か②どちらかの手順で、テンプレートを入手してください。
GoogleドキュメントからPDFファイルやWordに変換したい場合は、「ファイル」>「ダウンロード」から希望のファイル形式を選んでください。
- PDFファイルの場合「PDFドキュメント(.pdf)」
- Wordの場合「Microsoft Word(.docx)」
このように、テンプレートを使えば、あとは自分の案件に合わせて少し調整するだけ。
難しい表現も最初から書かれているので、文章に自信がなくても安心です。
またクライアント側が契約に慣れていない場合も、こちらから契約書を提示できれば「この人、ちゃんとしてる」と信頼されやすくなりますよ。
「契約ってなんか面倒……」と思いがちですが、テンプレートを活用すれば、クライアントも自分自身も安心してSNS運用に集中できます。

SNS運用代行用契約書テンプレートを活用して、初めての契約も自信をもってすすめましょう。
SNS運用代行の契約書作成の手順3ステップ
SNS運用代行の契約書づくりは「条件のすり合わせ → 作成 → 締結」の3ステップで進めるとスムーズです。
ここでは契約書を作る際、具体的にどんな順番で、なにを確認しながら進めればいいのかなど、わかりやすく解説します。
1.業務内容と条件をすり合わせる
契約内容を決めるときには、まず業務についてクライアントと話し合い、草案を作成します。
クライアントの手間を減らすためにも、こちらから契約書の作成を申し出ると好印象です。
具体的な業務範囲や報酬金額、支払い条件などを話し合い、草案にまとめます。
この一連のやりとりを丁寧に進めることで、クライアントとの信頼関係が深まり、スムーズに業務をスタートできますよ。
2.契約書を作成する
1で業務内容や条件などを整理したら、早めに「契約書」を作成します。
業務内容・報酬・納品形式など、すり合わせた内容をもとに書面に落とし込み、クライアントに提示するだけで準備の丁寧さが伝わるのもポイント。
また、早期に内容をまとめることで、双方の認識ズレを防ぐことにつながります。
契約書の作成は「SNS運用代行用契約書テンプレート」を元に案件に応じて内容を調整すれば簡単ですよ。
クライアントから既存の契約書を提示された場合も、確認をおろそかにせず、曖昧な表現や漏れている業務があれば遠慮なく確認・修正をお願いしましょう。

納得できる内容かどうか、必ず自分自身でしっかりチェックすることで、未然にトラブルを回避できますよ。
3.クライアントと確認し締結する
契約書の内容を双方で確認し、自分とクライアントで契約書に署名と押印をすることで、SNS運用代行の契約書締結となります。
契約書を交わすことで、お互いが安心して仕事ができる環境が整いますね。
最近では、パソコンやスマホで契約を締結するのがトレンドになりつつあります。
オンラインの契約書は手続きが簡単で、とくに時間の削減にもつながるからです。
個人事業主や小規模事業者に向けたサービスもあるので、気になる方は調べるとよいでしょう。
まとめ
今回は「SNS運用代行の契約書作成」についてテンプレートも交えてご紹介しました。
今回のまとめです。
- 業務内容や金額を文面で確認できることで、安心感が生まれる
- トラブルの多くは、契約書があれば防げる
- 契約書に含めるべき項目は8つ
契約書は、あなたとクライアントを守るお守りのような存在。
事前にルールを決めておくことで、「言った言わない」といったすれ違いを防ぎ、長期的な信頼関係を築くことができます。
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