【フリーランス流行語大賞】2025年を映したキーワードから見る、働き方のリアル

フリーランスや副業で働いていると、毎年のように新しい言葉やトレンドが生まれますよね。2025年は、AIの進化や法律の整備、収入の広がりなど、働き方が特に大きく揺れた一年。「たしかにそんな話、よく耳にしたなぁ」と感じる人も多いのではないでしょうか。

リモートワーク実践スクール「リモラボ」では、全国のフリーランス513名にアンケートを実施し、その年の空気感を映し出す「フリーランス流行語大賞2025」を初めて選出しました。

選ばれた10語の中には、うれしい変化も不安がにじむ声も、未来への期待もつまっています。

この記事では、そのデータとリアルな声をもとに、2025年のフリーランス界を振り返ります。

調査目的と回答者データについて

全国でフリーランスとして活動する方々およびリモートワーク実践スクール「リモラボ」のメンバーを対象に、以下の内容で調査をおこないました。

【調査概要】
■調査対象:全国のフリーランス513名
・一般フリーランス 289名(25〜39歳・男女)
・リモラボメンバー 224名(女性のみ/約8〜9割がフリーランス)
■調査実施期間:2025年11月10日〜11月14日
■調査機関:オンライン調査(一般フリーランス:外部調査会社/リモラボメンバー:自社調査)

フリーランス流行語大賞ってどんな企画?

フリーランスで働いていると、その年ならではの変化や流れを感じる瞬間がありますよね。SNSでよく見かけた言葉や、まわりとの会話に出てくるトピックには、「たしかに今年らしいなあ」と思える空気がぎゅっとつまっています。

そんなフリーランスの「今」を言葉で切り取ろうと、リモラボでは今年、はじめての開催となる「フリーランス流行語大賞2025」を企画しました

まず、リモラボでクルー(スタッフ)として活躍する82名の声から、今年よく耳にした言葉を候補語として集めました。そのうえで、全国のフリーランス513名のアンケート結果を反映。さらに審査員の視点もあわせて、今年を象徴する10語を選定しています。

選ばれた言葉を眺めていると、AIの進化に驚いたり、働き方や制度の変化に向き合ったりと、2025年を生きるフリーランスのリアルな気持ちが見えてくるようです。

「そうそう、こんなことあったよね!」と思い出しながら、 一緒にこの一年を振り返ってみましょう。

フリーランス流行語トップ10を一気にご紹介!

2025年のフリーランス界を彩った10語がこちら!

どの言葉にも、この一年のフリーランスの「変化」や「共感」がしっかりと表れています。

フリーランス流行語大賞2025
1位:AI画像
2位:フリーランス新法
3位:AI副業
4位:扶養の壁・年収の壁
5位:AI動画
6位:AIエージェント元年
7位:AIパートナー
8位:正社員回帰
9位:AI使用禁止
10位:リスキリング

あらためて並べてみると、AIまわりの言葉がたくさんランクインしていますよね。「今年はAIの勢いがすごすぎた!」と驚く人もいれば、「仕事がラクになった」「新しい挑戦ができた」と前向きにAIと向き合えた人もいるのでは?

一方で、「フリーランス新法」や「扶養の壁」のように、制度や生活に直結するキーワードも上位に入り、「安心して働きたい」という思いが強まった一年だったことがうかがえます

なんとなく感じていた空気感も、言葉にするとよりくっきりしますね。

上位ワードから見る、フリーランスの「今」

トップ10を見てみると、「今年よく聞いたなぁ」という言葉ばかり。その中でも、フリーランスの働き方に影響を特に与えたのが上位3つのワードでした。

ここでは、大賞の1位から3位までの言葉をひとつずつご紹介しながら、フリーランスがどんな変化を感じていたのかを紐解いていきます。

大賞【AI画像】「便利さと不安がゆらぐ一年」の象徴ワード

「AIの画像って本当にすごくなったよね…!」2025年は、そんな驚きの声をあちこちで耳にした一年でした。今回の流行語大賞でも、もっとも多くの共感を集めたのが「AI画像」です。

AIが短時間で高クオリティの画像をつくれるようになり、フリーランスからは「作業が一気にラクになった」「本物みたいな仕上がりにびっくりした」という声が寄せられています。

特にデザイナーさんやイラストレーターさんからの反響が大きかったのも印象的。日々の制作フローが大きく変わった人も多かったようです。

その一方で、「AI作品が増えて仕事が減らないか不安」「自分の価値がどこにあるのか揺らぐ瞬間がある」という切実な声も少なくありません。

便利さに助けられながらも、「どう向き合えばいいんだろう?」と立ち止まる気持ちも生まれた2025年。AI画像は、そんなワクワクと戸惑いが同時に存在した一年を象徴する言葉だったのかもしれませんね。

2位【フリーランス新法】「安心したい気持ち」が浮かび上がる

2025年の2位に選ばれたのが「フリーランス新法」(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)。フリーランスが増える中で、「安心して働きたい」という思いが強まったことがよくわかるワードです。

取引条件の明確化やハラスメント防止など、働く人を守るためのルールを整えるのがこの法律。「これまでは守られている感じがなかったから、少し安心できた」という声も多く、制度ができたこと自体に心強さを感じた人が多かったようです。

一方で、「内容をちゃんと知らない」「どこから理解したらいいかわからない」という声もあり、制度の浸透にはまだ時間がかかりそう。

とはいえ、「守られる仕組みができた」という事実は私たちにとって大きな一歩。不安な場面があっても、知識を持つことで選べる働き方は広がっていきます。

制度が整いはじめた今こそ、自分の働き方を守ることについて考えるタイミングなのかもしれません。

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3位【AI副業】新しい挑戦に踏み出しやすくなった一年

2025年の3位に選ばれたのは「AI副業」。AIの進化によって、新しい収入づくりに挑戦しやすくなったと感じた人が多い一年でした。

生成AIの普及で、特別なスキルがなくても副業に挑戦しやすくなったことから、「副収入のハードルが下がった」「新しい働き方に手を伸ばしやすくなった」という前向きな声が寄せられています。

また、仕事の現場でも変化があり、「クライアントとの面談で AI 活用について聞かれることが増えた」という声も。AIを使えることが、案件のチャンスにつながる場面も増えてきたようです。

AI副業は、これまでの働き方に「もうひとつの選択肢」を加えてくれる言葉。自分の収入のつくり方を見つめ直すきっかけにもなった一年だったのかもしれません。

フリーランス流行語大賞2025 審査員賞

流行語大賞のトップ3とはまた少しちがった角度から、2025年のフリーランス界を読み解いてくれるのが「審査員賞」。今回は、リモラボ代表 小森優(こもりん)と、株式会社キークエスト代表取締役 青木創士さんのお二人に選んでいただきました

実際に現場で活動するお二人が、今年の動きをどう感じていたのか。それぞれの言葉には、ランキングには出てこない「リアルな視点」が込められています。

ここでは、お二人のコメントを紹介しながら、2025年のもうひとつの姿をたどっていきます。

フリーランス流行語大賞2025
審査員賞
こもりん「AIパートナー時代」
青木さん「AIエージェント」

審査員賞:小森優(こもりん)

「AIパートナー時代」
▽選出者 こもりん(小森優)のコメント
SNSを見ると、驚くほど高品質なAI画像やAI動画が数多く投稿される時代となりました。この現状は、AIがもはや単なるツールではなく、クリエイティブな活動における不可欠な「パートナー」として認識され始めたことの証ではないでしょうか。

AIの最も魅力的な点は、これまで「自分には無理だ」「時間がかかりすぎる」と諦めていた創造や実現を可能にする、無限の可能性を秘めていることです。しかし、この強力なパートナーを手にいれたからこそ、私たちはその使い方について深く考える必要があります。AI技術は、誰かの権利を侵害したり、不利益をもたらしたりするような間違った使い方をされてはなりません。大前提として、誰もが気持ちよくAIの恩恵を受けられる、倫理的かつ正しい活用方法を確立することが重要です。これが、AIパートナー時代におけるプロフェッショナルの責任だと感じています。

私自身も、生成AIの性質や使い方を常に学び続けながら、健全かつ有効に活用する道をプロのフリーランスとして模索し、実践し続けていきたいと考えています。

一見、脅威とも感じるAIの発達をうまく味方につけられれば、これ以上ないパートナーになること間違いなしですね。

使う側である私たちが、正しい知見を持ってAIと付き合っていきたいものです。

審査員賞:青木さん「AIエージェント」

「AIエージェント」
▽選出者 青木さんのコメント
特に今年の前半、衝撃を与えたものが「AIエージェント」ではないでしょうか。

GensparkやManusなどの登場によって、誰もが資料・スライド作成や簡単なWEBサイト制作をワンクリックで自動化できるようになった事実に驚愕するところから始まりました。

その後、Googleが提供するNano Bananaという画像生成ツール、OpenAIが提供するSoraといった動画生成ツールなど各ツールの実用化精度が爆上がり。その結果、それらのツールを束ねて実務の現場で活用するAIエージェントが、2025年後半に圧倒的な利便性を実現しました。並行して、業務別の特化型のAIエージェントも進歩を続け、あらゆる業務がAIに代替されるという未来の片りんをまざまざと見せつけられた年に。

2026年は、AIエージェントを複数使いこなしながら、あらゆる業務を爆速でこなしていくフリーランス人材に仕事が集中することが確定しています。毎月進化し続けるAIエージェントに驚きすぎて心臓が止まるのではないかと感じるフリーランスが多いのではないでしょうか。来年はAIエージェントがどこまで進化するのか、もはや予測不可能なので、私も日々心臓が止まらないように気を付けていきます笑

読んでいるだけで、今年の変化の大きさが伝わってきますよね。

「仕事のあり方そのものが変わるかもしれない」というワクワクと、「スピードについていけるかな……」という正直な気持ちの両方が浮かび上がるコメントです。

働き方はどう変わる?こもりんが語る2026年の動向予測

2026年は、今年以上に働き方が大きく動く一年になりそうです。

私が注目しているのは、まず生成AIの存在です。AIの活用は「使えると便利」ではなく「使えて当然」の前提になっていきます。AIを使いこなせる人と、そうでない人の間で、差が出やすくなると感じています。

ただ、AIがすべてを決めるわけではありません。AIが出した成果物をクライアントに合わせて整えたり、人間らしいストーリーを加えたりする力は、これからもっと大切になっていきます。こうした「仕上げ力」は、案件獲得のうえで大きな強みになります。

働き方そのものも変わりそうです。物価高や終身雇用の揺らぎから、複数の収入源を持つ「複業デフォ時代」が広がり、「週3正社員+週2フリー」といった働き方を取り入れる企業も増えていくかもしれません。

さらに、今回4位にランクインした「扶養の壁」への意識も高まり、収入の上限にしばられず自立を選ぶ女性も増えていくと見ています。

AIの進化と働き方の見直しが同時に進む2026年。変化は続きますが、その中で自分に合う働き方を見つけていける時代になっていきそうです

まとめ

2025年の流行語大賞から見えてきたのは、AIの進化や制度の変化にふれながらも、「もっと安心して働きたい」「自分らしい形で挑戦したい」というフリーランスたちの正直な気持ちでした。

便利さにワクワクしたり、変化の速さに戸惑ったり、新しい働き方に背中を押されたり……。どのワードにも、フリーランスが抱える「リアル」がしっかりと映し出されています。

そして、2026年はさらに働き方が大きく動く一年になりそうです。AIを活用することが当たり前になっていく中で、「どんなスキルを磨く?」「どんな働き方を選ぶ?」そんな問いと向き合う場面が増えていくのかもしれません。

リモラボは、これからも変化の中で働く女性たちが、安心して挑戦し、自分らしい未来をつくっていけるよう、学びとつながりの場として寄り添い続けていきます。

2026年も、できることから少しずつ。一緒に、自分に合った働き方を見つけていきましょう。

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